北海道に転勤・移住で初めて住む方のためのブログ

冬の寒さの厳しい北海道にある生活について知っておいてほしいこと

そりで遊ぶ子供 北海道

札幌移住民の私からみた冬の北海道民の不思議

毎年全国から北海道に多くのかたが転勤や移住で来られますが、特に雪が降る冬に関してはこの地にしかないツールや習慣が多くあります。移住者は初めて経験することになりますが、事前に知ったうえで準備できればスムーズな生活に入ることができます。初めての北海道の冬を迎えられるかたは、特に役に立つことが多いので是非事前に知識として知っておいてください。

冬は冬眠(熊のように)で働かない?

北海道の雪は大自然の産物であり、札幌は豪雪エリアであるため朝起きてニュースで記録的な大雪で交通機関がマヒしていると流れると、まず始業時間に出社するのをあきらめる北海道民が多い。できれば家から出ずにまずニュースで状況を確かめて、極力午前は休むことを選択します。とにもかくにも豪雪になると特に札幌民は家から出かけなくなる傾向があります。

冬は室内でアイスクリームを食べる

北海道では真冬でも室内を異常に暖かくして汗をたらしながらアイスを食べるのが日常です。もともと住宅が寒冷地仕様になっていて気密性が高い。そのうえ暖房はできる限りつけっぱなしで省エネという観念はあまりないようです。そのため本州ではあまり聞いたことのない暖房手当なるものを支給している道内企業は多い。

道路工事ばかりの冬前の札幌

何のためにこれほど道路に穴をあけなければいけないのかと思うほど道路工事が多いのが冬直前の札幌市である。冬場の道路事情が悪いため集中して時間がかかるのは分かるが、どう見ても予算を消化しているようにしかみえない。通常なら年度末の3月が工事のピークのようだが、積雪の多い札幌では雪に覆われる前の11月までが工事ラッシュである。

観楓会という変わった習慣

「観楓会」という冬に近づく頃におこなわれる忘年会のような催しがあります。もともとの意味は紅葉した楓を愛でるということのようだが、いわゆる本州でいうところの「紅葉狩り」とは違い会社の宿泊を伴った親睦会ですが、近年は不況及び個人優先の考え方のせいか実施する企業も少なくなっています。もちろん最近はコロナでそれどころではないのですが。

雪にまつわるよくある光景

1、冬は除雪車による除雪後の道でベビーカー代わりに小さな子供をそりに乗せて出掛けるお母さんの姿を見かけます。まわりから見ると子供が道に落ちないか心配になりますが、実際にはみんな落ちることなく乗りこなしています。

2、冬になると「ママさんダンプ」という大型のシャベルに持ち手がついた除雪用の道具をよく見ます。

もともと新潟県のメーカーの商標登録だそうですが、シャベルの部分をプラスチックで軽量化し、女性でも除雪できるように持ち手の部分を調整しており名前の由来は「女性でも、ダンプカーのように雪が運べる」からきています。

 

3、家庭には除雪用スコップが3種類以上を常備している。

一口に除雪スコップといっても大きさから材質まで時期用途によっていくつも必要になります。

 

4、道路の交差点に全国では見慣れない砂箱が設置されています。これは滑り止め用砂で道がつるつるになって通行が危ない時、誰でも使用できるようになっています。現在では砂ではなく代わりに砕石や塩化カリウムが代用されています。

5、雪の多い年は札幌でも1メートルの積雪になります。夜中に国道で排雪作業をした後は巨大な雪の壁ができて車も人も視界が悪くなり、非常に危険です。また中道に一歩入れば雪山で車がすれ違うことができなくなります。

 

雪国の冬の車の装備品

1、寒冷地用ウインドウォッシャー液

冬場は-30°まで凍らないというウォッシャー液を原液で使用します。そうしないとウォッシャー液がタンクで凍りつき壊してしまいます。また、外気が-10°ちかいと逆にウォッシャー液は出した途端薄い氷状態になることもあるので使用しないことが多い。

2、エンジンスターター

エンジンスターターとは遠隔操作で車のエンジンをかける装置です。これは雪降る冬場に出掛ける15分前にエンジンをかけておくと車の雪も解けてすぐ発進できて雪国には欠かせない装置です。ただ、全国的には排気ガスのアイドリングストップという環境問題もあるためほとんど普及していない。

3、冬ワイパー

雪の降る地域では冬用のワイパーというものがあり、必ず冬に交換します。冬ワイパーは雪がワイパーに詰まらないようにゴムで全体が覆われており、そのゴム自体も寒さで硬くならない素材になっています。雪国の運転には冬ワイパーとスタッドレスタイヤは必需品になります。

なお、雪が降りそうな日には車のフロントガラスの雪が下しやすいように駐車時に事前にワイパーを立てておく人もいます。

札幌民の冬の助け合いは阿吽の呼吸です。

冬の道路はブラックミラー現象でつるつるになったり、そろばん道路と言われるように一旦融けた雪がふたたび固まった状態になったりします。そんな雪道でスタック(タイヤが雪に埋もれること)した車をよく見かけます。ただそんな時でも通りすがりの見ず知らずの人達が自然と集まって協力しあい、車を押してあげている光景をよく見ます。車がなんとか脱出できたら「はいお疲れ様」「有難うございます」って感じで何もなかったように解散します。

冬の暖房は半端ではない

北海道の冬の暖房費は本州とは比較にならないほどかかります。そのため道内企業は暖房手当なるものを支給しているところが多いです。特にプロパンガスや原発非稼働以降の電気は異常に高く、多くの暖房は寒冷地にしか見ない戸外タンク式の灯油ストーブであることが多いです。最近ではオール電化住宅であっても維持費の問題で灯油ストーブへ切り替える人まで増えています。賃貸では灯油ストーブでないと冬場は家賃と変わらない暖房費になりかねません。

灯油タンク

北海道のこたつの所有率は全国最下位です

こたつ所有率23%で沖縄より低いそうです。これは外気の温度の影響で暖房設備が徹底されていて真冬でもこたつを併用する場面が家の中であまりないということが実態のようです。

まとめ

北海道の冬は長い、感覚的には冬の期間は半年ちかいと言っても過言ではありません。私も20年以上経ち寒さにも慣れたとは言うもののあまりの豪雪にいまだ驚くこともあります。しかし、実際に住んでみると寒さの厳しい冬にも北海道の魅力があり、決してマイナスなことばかりではありません。みなさんも是非、寒い冬の北海道にも観光でお越しください。

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